科学知識:CTコンピュータ断層撮影の他技術との違いと応用事例
これまでの内容では、CTコンピュータ断層撮影、実際の運用、放射線法令、導入検討ポイントなどを紹介しました。既にご覧になられた方はCTコンピュータ断層撮影について、より深く理解ができたと思います。もし、まだご覧になっていない方がいらっしゃいましたら、下のリンク先から確認できます。
これから、CTコンピュータ断層撮影の他技術との違いと応用事例をご紹介いたします
X線(X-ray)とCTコンピュータ断層撮影(Computed Tomography scan)と他技術の違い
技術の進歩に伴い、非破壊検査の技術にも様々な手法が登場しています。前のセクションでご紹介したCTコンピュータ断層撮影(Computed Tomography scan)のほか、一般的な技術にはX線(X-ray)、磁気共鳴画像法(MRI, Magnetic Resonance Imaging)、超音波検査(Ultrasonography)などがあります。
ただ、本セクションのテーマはCTコンピュータ断層撮影のため、X線とCTコンピュータ断層撮影に関連する内容のみをご紹介いたします。
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X線(X-ray)とは?
X線(X-ray)はX放射線(X-radiation)とも呼ばれ、高い運動エネルギーを持ち、生物細胞に影響を及ぼす放射線(Ionizing radiation)の一種です。波長範囲は紫外線(Ultraviolet)より短く、ガンマ線(Gamma ray)より長いです。
技術的な仕組みは、X線装置内のX線管球から発生した指向性のあるX線を検査対象物に照射し、その透過具合した結果をX線フィルム(X-ray film)やイメージングプレート(Imaging Plate)に移り出すことで、対象物の内部構造を可視化します。通常、撮影する際に1枚撮影(One shot)または連続撮影で、対象物の構造を確認します。
応用技術には、人体の医療診断に使用される医療用X線装置(Medical X-ray scanner)、空港や税関で手荷物の安全検査に使用される手荷物X線検査装置(X-ray baggage scanner)、PCB基板のはんだ付け状態を確認するためのPCB X線検査装置(PCB X-Ray Inspection Machine)、工業製品の内部構造の欠陥を検査する工業用X線装置(Industrial X-ray detector)などがあります。
(* アンリツ株式会社 プロダクツ・クオリティ・アシュアランス頻道チャンネル から引用)
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CTコンピュータ断層撮影(Computed Tomography scan)とは?
CTコンピュータ断層撮影(Computed Tomography scan)は、CTやX線CT(X-Ray Computed Tomography)とも呼ばれています。技術的な仕組みはX線と同様で、放射線(電磁波(Electromagnetic)または粒子(Particle))の透過特性を利用して検査対象物を撮影します。
ただ、CTコンピュータ断層撮影の最大の特徴は、X線で透過撮影を行う際に、得られた3次元データをコンピューターで再構成・再構築します。この技術により、ユーザーは非破壊的な手段によって、撮影対象物の内部構造を見ることができます。通常、撮影する際に短時間で連続撮影(Burst shot)で、対象物の構造を確認します。
応用技術には、X線と同様に人体の医療診断に使用される医療用X線CT装置(Medical X-ray scanner)、動物やペットの医療に使用される獣医用X線CT装置(Veterinary X-ray CT)、工業製品の内部構造の欠陥を確認する産業用CT(Industrial X-ray CT)などがあります。(* RF Channelsチャンネル から引用)
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X線とCTコンピュータ断層撮影の違い
X線もCTコンピュータ断層撮影も放射線の特性を利用し、非破壊的な手段で対象物を検査します。しかし、厳密に言うとX線(X-ray)は2次元でかつ特定の撮影角度で対象物を1枚撮影(One shot)します。また、撮影結果は固定された撮影角度からしか確認できません。
一方、CTコンピュータ断層撮影(Computed Tomography scan)は検査対象物または撮影装置を360度に回転させながら、短時間に連続撮影(Burst shot)を行います。また、撮影枚数は約300~1,000枚以上(※)で、撮影結果は任意方向・角度から確認できます。
(※ 製造メーカー、設備スペック、撮影モードなどにより、実際の撮影枚数が変動します。)
X線CTコンピュータ断層撮影の応用事例
これまでの内容で紹介した通りに、X線CTコンピュータ断層撮影装置は産業分野(Industrial)と医療分野(Medical)の他に、別分野・領域にも利用できます。しかし、具体的にどのように利用されるでしょうか?
以下の内容は、産業分野(Industrial)と医療分野(Medical)以外の実際の応用事例をご紹介し、これらの情報が皆様にX線CTコンピュータ断層撮影をより深く理解し、関連技術を応用できるかどうかの検討の助けとなれば幸いです。
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溶接技術の検証(Verification of weld)
当該事例は日本群馬県伊勢市の株式会社前野(Asano co., ltd.)からご提供いただきました。
動画の中で、技術者はアルミ溶接(Aluminum welding)の「MIG溶接(またはミグ溶接、Metal inert gas welding)」と「TIG溶接(またはティグ溶接、Tungsten inert gas welding)」という2種類溶接技術で作成したテストピースについて、X線CTコンピュータ断層撮影装置で比較します。
通常、溶接する前に、もし母材の表面に水、オイル、錆、メッキなどの物質をしっかりと除去しないと、溶接を行う際に、溶加材(ろう材)と共に母材に接合させてしまいます。また、それらの物質は溶接による高温でガス化するので、母材と溶加材の間にブローホール(Blow hole)が生成させてしまいます。
動画からMIG溶接とTIG溶接の差異をよく確認できるので、技術者はその差異から表面処理や溶接工法や問題原因の究明などに検討や改善することができます。
より詳細の内容は、下記のリンク先から確認できます。(* 株式会社浅野チャンネル から引用)
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土木光学の研究(Research on Freeze-Thaw in Soil Pavement)
当該事例は日本国立大学信州大学工学部水環境・土木工学科 河村 隆 教授(Professor Takashi Kawamura)からご提供いただきました。
文章の中に河村教授が説明した通りに、以前土とセメント(Cement)で混合した土系舗装(Soil-based pavement material)に対して、舗装の内部に浸透した水分が低温によって凍って膨張するとひび割れが発生するという現象をシミュレーションするため、試験体を繰り返して凍結・溶解しなければなりません。その氷が溶けた後に剥がれ落ちた破片から、ようやく劣化の具合を調べられるが、手間をかかる上に、肝心の凍っている状態が分からなかったです。
ところが、X線CTコンピュータ断層撮影装置を導入すると、凍った状態で試験体の内部を観察できるようになるから、これによって研究が格段に進みました。
より詳細の内容は、下記のリンク先から確認できます。 -
アニマル骨格のレプリカ製作(Replication of Animal Skeletal Models)
当該事例は日本Ampho合弁会社 CEO 佐々木 彰央(Akio Sasaki)からご提供いただきました。
文章の中にも説明した通りに、彼らは骨格レプリカを作成する際に、従来の型取りなどの方法でレプリカを作るではなく、3Dスキャナー(3D scan)で3次元データを取得した後、3Dプリンター(3D printer)で出力し、更に手作業でのクリーニングと着色を施します。
ただ、3Dスキャナーは骨格表面の3次元データしかとれないので、最終的に非破壊かつ内部構造を確認できるX線CTコンピュータ断層撮影装置を導入しました。X線CTで外部構造のみではなく、内部構造の3次元データもしっかりと取れるため、レプリカを製作する際の負担を低減できるほか、保存容器に保管している貴重な標本(冷凍標本、液浸標本)を、取り出せないままで最小限の接触で3次元データをとれることができました。
より詳細の内容は、下記のリンク先から確認できます。 -
医学研究(Medical research)
当該事例は三菱ガス化学株式会社新潟研究所のNur Syafiqah Mohamad Ishak博士らが発表した医療研究論文です。
論文の概要内容は、主に実験用マウスの餌に抗酸化物質ピロロキノリンキノン(PQQ, pyrroloquinoline quinone)を添加し、X線CTコンピュータ断層撮影で細胞レベルの変化の過程を観察しました。関連内容は医療分野の研究論文のため、ここでは詳細な説明を割愛します。
(* Nur Syafiqah Mohamad Ishak, Midori Kikuchi, Kazuto Ikemoto. “Dietary pyrroloquinoline quinone hinders aging progression in male mice and D-galactose-induced cells”. 2024, 3-2, FIGURE 2 から引用)より詳細の内容は、下記のリンク先から確認できます。
- Dietary pyrroloquinoline quinone hinders aging progression in male mice and D-galactose-induced cells
https://www.frontiersin.org/journals/aging/articles/10.3389/fragi.2024.1351860/full
- Dietary pyrroloquinoline quinone hinders aging progression in male mice and D-galactose-induced cells
以上の説明で、X線とCTコンピュータ断層撮影との違いと応用事例について、より深く理解できたのではないかと思います。これらの情報が今後CTコンピュータ断層撮影の導入検討の一助になれば幸いです。
また、CTコンピュータ断層撮影についての説明は、ここで一区切りにさせていただきます。今後、もし機会がありましたら、CTコンピュータ断層撮影の他の事例を紹介します
それでは、また会いましょう。







